牧田農園

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モモの栽培でロス果実を減らすための試み

ロス果実とは、出荷できない果実のことです(毎年、半数ぐらいがロス果実となります)

(1)”くされ”が出ている果実(部分的に)
病気に罹病(かかっている)果実で、主な症状は部分的な”くされ”です。病原菌は「灰星病菌」・「ホモプシス腐敗病菌」があります。雨が続き晴れ間が少ない年に多く発生する病気です。今年は雨が少なかったので、この病気の発生は”ない”に等しいほどでした。
原因・・・袋掛け前と袋掛け後に分かれます。
・袋掛け前は「灰星病」を防ぐための落花後の薬剤散布ムラや袋掛け直前の病果の”見落とし(虫食い含む)”。
・袋掛け後は「灰星病」・「ホモプシス腐敗病」を防ぐ薬剤散布のタイミング逃し。
(2)”虫食い”の果実
害虫の食害や吸汁(果汁を吸う)で、部分的な”くされ”が発する匂いに起因するものと、熟期に果実が発する”甘い匂い”があります。
原因・・・害虫を呼び寄せる果実が発する”甘い匂い”です。
・「袋のかけ忘れ」や 雨が続き「灰星病」・「ホモプシス腐敗病」の果実があれば、昆虫(クワガタ、カブトムシ、コガネムシ、ハチ)、夜蛾(”やが”といい、蛾(が)です)等の虫(総称して害虫と言う)を呼び寄せる”匂い”が発生します。”虫食い”が出来ると”甘い匂い”が広がり、どんどん害虫を呼び寄せます。
・熟期(果実が熟れる時)には、袋を通して、とても”甘い匂い”が出てきます。
(3)袋の掛けすぎ
小玉果実・変形果実
原因・・・適正数着果より多く着果した時で、葉果比(1個の果実が熟す為に必要な葉の枚数)を無視すると大きさだけでなく甘味や酸味やミネラル分の”バランス”が崩れて熟期となります。

対策

(1)”くされ”(部分的な)
・適期に薬剤散布をする。
・袋掛け時、摘果での”見落とし”をなくす。
・袋掛け後の薬剤散布は薬効期間経過後で、「雨の直前」に行う。
(2)”虫食い”
・「袋のかけ忘れ」を見つけた時は、取り除く。
・カラス除けネットのような 木全体をカバーできる害虫防止ネット(2X2mmや4X4mm目など)をかける。
・防蛾灯(黄色の照明)の設置。(夜蛾は夜に飛来して、果汁を吸います(吸汁)。黄色い照明は夜蛾の飛来を防ぐことが出来ます)
(3)小玉果実・変形果実
・収穫時の葉果比は 50枚~60枚枚以上で適正着果を心がける。

今年 当園の試み・・・害虫を呼び寄せる”匂い”を出さない

ロス果実は”くされ”と”虫食い”が大半を占めます。当園では薬剤散布のタイミング逃しで「灰星病」・「ホモプシス腐敗病」の発生が2割ぐらい、害虫の食害や夜蛾の吸汁で4割ぐらいの被害果実がありました。この数は袋掛け数全体の4~5割に当たります。
・”くされ”対策では、落花後のムラのない薬剤散布と袋掛け前の精度の良い摘果。(見落しをなくす)
・”虫食い”対策では、害虫や夜蛾を寄せ付けない工夫をする。(害虫防止ネットは購入済みですが、設置が大変なので 最近は使用していない。また、当園は山の中なので防蛾灯の受電設備が整っていません。)
”甘い匂い”が害虫を呼ぶのならば、”甘い匂い”が出なければ害虫は来ないことに気が付いて 収穫直前の果実(”甘い匂い”を発する直前)に追加でさらに大きな袋を掛けて”甘い匂い”を袋から漏らさないことを思いつきました。

当園は左の茶色の袋(小林製袋 STKM V切り止め入り 底止め)を使用しています。収穫直前になると、モモは袋を破るぐらいに大きくなります。(モモが横に膨らみ袋が縦に裂けたり、袋の底がだんだんと開いて袋の底からモモが見えると収穫になります)それが収穫のサインになるので、それを見つけて右の白色のブドウ袋(小林製袋 グレープ19 CM39D)を手で膨らませて、茶色の袋の上に掛けます。(二重袋にする)この時はまだ”甘い匂い”を発していません。

ブドウ袋はV切りではないのですが、収穫まで2~3日あるので、風で飛ばないぐらいに袋掛けします。(雨も入らないようにする)

収穫適期になるとモモが”甘い匂い”を発するので、ブドウ袋を掛けて”甘い匂い”を外に出さなくする目的です。2~3日後、ブドウの袋を外して収穫します。ブドウの袋を外すとモモの”甘い匂い”が一気に飛び出します。そして、次の収穫直前のモモに 今 はずしたブドウの袋を掛けます。このことを3~4回繰り返すと、1本のモモが”虫食い”なしで収穫が終わります。

果実袋の大きさの比較

6月下旬収穫の「ちよひめ」、7月10日過ぎ収穫の「米倉金桃」は夜蛾の被害はとても少ないのですが、7月中旬を過ぎると夜蛾の被害が目立ちます。当園は、大玉果実栽培に取り組んでおり収穫時の葉果比は 100枚以上あります。よって、1果1果がとても重要で、少しでも夜蛾の吸汁跡があると ロス果実となり、痛手となります。害虫防止ネットはネット張りが大変なので・・・。

「長沢白鳳」、「あかつき」、「浅間白桃」、「つきあかり」、「なつっこ」で”ブドウの袋追加掛け”をして収穫。ロス果実はほとんどありませんでした。

今年は雨がとても少なかったことで、病気による”くされ”のロス果実は ほぼ”なし”。収穫直前にブドウの袋を掛けたことにより、”虫喰い”によるロス果実は ほぼ”なし”でした。
モモ栽培を受け継いで、35年になりますが、ロス果実が ほぼ”なし”であったのは初めてのことです。

ブドウ袋をかける

今年初めての試みで、収穫直前に茶色の袋の上に白色のブドウの袋を掛けました。他の茶色の袋のモモは順次収穫時期となり、ブドウの袋を掛けて収穫します。